2013年7月22日月曜日

稀勢の里、白鵬の44連勝を阻む

 大相撲名古屋場所の14日目。
 この日まで横綱・白鵬は13戦全勝で、すでに26度目の優勝を決めました。春場所初日から43連勝です。
 これに対抗する横綱・日馬富士は、中盤に3連敗して8勝5敗。あえなく優勝争いから脱落しました。
 
 先場所13勝2敗で惜しくも優勝を逃した大関・稀勢の里は、序盤に下位力士に取りこぼし10勝3敗です。
 

 優勝は決まっていましたが、13勝無敗の白鵬と10勝3敗の稀勢の里が対戦しました。

 白鵬は、鶴竜、琴奨菊、琴欧洲との対戦で、右わき腹を痛め、テーピングで固定して土俵に上がりました。一方の稀勢の里はたんたんと仕切ります。

 時間いっぱいの立会い。まず横綱がつっかけ、大関が待ったをしました。仕切りなおして両者そんきょの姿勢から、今度は横綱が待った。やや横綱が落ち着かない様子でした。

 3回目、立ち上がって横綱が左で大関の顔を張って右でかち上げました。
 しかし、大関はこれにひるまず、細かい突き押しで前に出ます。横綱も下から大関の突き手をあてがって応戦しました。

 横綱が差し勝ち、得意の右四つとなりましたが、大関は不得意の態勢のまま寄って出ます。
 横綱は後退しながら右からすくい投げを放つも、大関の圧力に屈し、土俵下へ崩れ落ちました。
 見事な大熱戦でした。

 白鵬に土。44連勝はなりませんでした。
 稀勢の里の健闘に、場内は座布団の雨が降りました。白鵬がばたばたと動いたのに対し、稀勢の里は相手の身体を自分の前に置いて、突き押しで攻めとおしました。

 北の湖理事長は、稀勢の里が12勝すれば次の場所に横綱挑戦の機会を与えると述べていました。
 これには、早く日本人横綱を実現させたい相撲協会の思惑が正直にあらわれています。
 北の湖自身、横綱昇進前の3場所は、10勝、13勝(優勝)、13勝(優勝同点、優勝は横綱・輪島)。文句なしでの昇進ではありませんでした。
 最近の横綱は、二場所連続優勝をとげて昇進しています。12勝で終わって、翌場所の優勝で昇進は甘すぎます。

 しかし、この日のような相撲を15日間取ることができれば、稀勢の里は胸を張って横綱に昇進できると思います。一層の精進を期待します。

 白鵬は全盛時に比べると、やや力感に乏しくなりましたが、その実力はやはり群を抜いており、当分は第一人者として君臨することでしょう。

 両者が毎場所優勝を争って、大相撲を盛り上げてもらいたいものです。

2013年7月13日土曜日

阪神広島の熱戦

 マツダスタジアムの外野席、カープファンの先輩とタイガースファンの後輩が観戦しています。
 試合はタイガースの大量リードで終盤を迎えます。

「7回の表、阪神タイガースの攻撃です。阪神ファンのみなさま、どうぞご声援ください。」

 六甲おろしの前奏が流れます。
 阪神の大量リードでやけになった先輩、応援歌を阪神の応援団と一緒に歌い始めました。

「六甲おろしに、さっそうと
蒼天かけるー 日輪のー」
「二番も歌うぞー
鉄腕きょうだー いくちたびー
鍛えてここにー 甲子園」

 二番以降の歌詞を知らない後輩は、スマホで確認しています。それにかまわず歌う先輩。

「獣王の意気たからかにー」
「先輩、さっきの歌詞は三番ですよ。
そこは二番です。」

 かまわず歌い続ける先輩。
「輝くわれらぞ」
「そこは三番です。」

「オウオウオウオウ 大阪タイガース
フレフレフレー。」
「二番の最初は、刺すという字です。」

「わかった。
闘志溌剌 たつやいまー
熱血すでにー 敵をつうくー」
「勝利にー 燃える栄冠わー」
「全然だめです。そこは三番です。」

「無敵の我がなぞ 大阪タイガース
オウオウオウオウ 大阪タイガース
フレフレフレフレー」
(注:オリジナルの歌詞は大阪タイガース。六甲おろしが作られた時期のチーム名です。)


 
 応援歌を歌っている間に、カープは反撃の兆しも見せず、試合はそのままタイガースの勝利に終わりました。
 
 
 

 「刺すと溌剌(はつらつ)の剌(らつ)は、字が違うのではないか。」
 せめて先輩はカープに代わって後輩に反撃できればよかったのですが、それに気付いたのはゲームセットの後。

 完全な敗北を喫した広島カープでした。

2013年7月10日水曜日

なぜ部長は事実と異なる報告をしたのか

 5月17日に東観音交差点で起きた交通事故の際の救急隊の処置についての問題は、まだ続きます。

 18日、私は当日たまたま現場に居合わせた市民Bさんから証言を聞きました。そして、AさんとBさんが約20分間も車の行き交う道路上に立ち、受傷者と2名の救急隊員を守ったことを確認しました。

 20日、私は広島市消防局・尾形部長にその事実を話しました。
 救急隊の犯したミスについて認めたうえで謝罪し、再発防止に努めるとの一言がもらえれば、それで一件落着のはずでした。

 ところがこの一件は思わぬ方向に動き出しました。
 

 21日、部長は私へこの一件の報告に来て、
 
「救急車の停車位置は適切だった」
「受傷者は一番歩道寄りの車線上にいた」
「救急隊に落ち度はない。ただ、道路上の二名の市民に早く気付かなければいけなかった」
と、述べました。

 二名の市民の証言と報告の内容が違います。
 私が指摘すると、部長は再度聞き取りを行うと言いました。

 22日、部長は、当日勤務中であったE出張所救急隊の3名を中消防署の中田署長の部屋に呼び出しました。署長、田中副署長、栗栖警防司令官、松永救急係長、そして救急部長と課長補佐の6名が事情を聞き取ったということです。

 聞き取りのあった日の夕方、私は救急部長の部屋で説明を受けました。
 その内容は、前日のものとほとんど変わりの無い、矛盾に満ちたものでした。
 

 これを聞いた二名の市民は、消防局に対する怒りを露わにしました。
 

 
 自分たちのとった行動は無意味だったというのか
 自分たちの立っていた位置は、部長の報告とは違う

 もし部長の説明のとおり、救急車を受傷者に対面するように停止させていれば、二名の市民が20分間も自分の身体を危険にさらしてまで、受傷者や救急隊員2名を守る必要は無かったはずです。

 30日になって、その日救急車を運転していた隊員が、
・救急車の停車は、車線を気にせず傷病者の正面に部署すればよかった
・一般市民には、危険な交通整理をさせないよう配慮する必要があった 
 そうコメントしていた書面を、部長から渡されました。

 受傷者の正面でない場所停車したため、一般市民に迷惑をかけたというコメントでしょう。素直な反省だと思います。

 なぜ、この事実を正直に伝えなかったのか。尾形救急部長の真意が測りかねます。
 事実とは違った報告をして、誰が得をするのでしょうか。

 謎に満ちた話だと思います。