5月1日から上海で万国博覧会が開催されます。中国経済の発展とともに、上海は世界経済の中心となったと言っても良いでしょう。
第二次大戦前、上海には租界という外国人の居留地がありました。治外法権で中国政府の法律は適用されない、外国人にとってのパラダイスでした。租界の外で人を殺しても、租界に逃げ込めば中国の警察は逮捕できません。
1839年、欽差大臣の林則徐が広東で密輸されていたアヘンを没収、焼却しました。これに激怒したイギリスが清国に攻め入り各地を占領しました。アヘン戦争です。
清国は敗北し、1842年に結ばれた南京条約で上海は開港され、外国人租界がおかれました。以後百年以上、租界には中国人の人権は認められず、公園の入り口には「犬と中国人は入るべからず」と書かれた札が立っていました。私の祖母はそれを実際に見たと言っていました。
アヘン戦争以前、イギリスは中国から茶、生糸などを輸入し、銀で代金を支払っていました。銀の流出が著しいため、イギリス政府は植民地インドで栽培したアヘンを中国へ売り込ませ、銀の流出をくいとめたのです。
世界の一流国が、貿易黒字を計上している国へアヘンを売りつけて、国家財政の大赤字を解消したのです。現代では許されることではありません。
イギリスには恥という言葉がなかったのでしょうか。
イギリスについで、アメリカ、フランス、ロシア、ドイツ、そして日本も帝国主義戦争の尻馬に乗り、大陸を侵略しました。
上海万博に出展するこれらの国々は、いかなる心境で上海に乗り込むのでしょうか。