院内学級とは、病院の中にある小・中学校の学級のことです。病気の治療のため、中長期の入院を強いられている小・中学生のために、学校教育を提供することになっています。
市内で最も生徒の多い病院は、広島大学病院の院内学級です。1クラスの生徒数は通常6~8名ぐらいですが、10名を超える場合も多々あります。
私が大学病院に勤めていたころは、生徒は非常に狭い部屋に押し込められていました。しかし、平成15年1月に新しい病棟が完成した際に、小・中学校とも広い部屋に移りました。当時の病院の理解によるものです。
この度、別棟であった歯学部付属病院内の病棟40床が新しい病棟に引っ越すことになり、その改修工事が平成22年9月から予定されています。
そのため院内学級は別の部屋に移動させられることになるうえ、小学校のクラスは61㎡→49㎡と12㎡減、中学校のクラスは64㎡→50㎡と14㎡減と狭くなることになりました。
それだけではありません。今までは小・中学校のクラスとも、ほぼ正方形の整った形でした。しかし、新しい部屋は長細い部屋と三角形のような不整形な形なのです。
病気の子どもたちは車いすで通ったり、点滴のスタンドを持ってきたりするので、広いスペースが必要です。教室が狭く使いにくくなるので、今までの十分な余裕がなくなり、きゅうくつな教室で授業を受けなければなりません。
「これでは教育の機会が損なわれるではないですか。」と、大学病院の副委員長と病院施設整備計画担当に迫りましたが、回答は返ってきませんでした。
子どもたちの権利が大人たちの都合で踏みにじられている。
そのような気がしてなりませんでした。