23時すぎにテレビを見ていると、ビックリするようなニュースが飛び込んできました。
今年の9月、岩国市内で乗用車が66歳の男性をはねました。男性は死亡し、加害者の女性(32)は自動車運転過失容疑で書類送検されました。女性はアメリカ海兵隊岩国基地所属の職員でした。
ところが、山口地検岩国支部はこれを不起訴としたため、男性の遺族が岩国検察審査会に審査を申し立てたというニュースでした。
不起訴の理由ですが、岩国支部によると「第1次裁判権がアメリカ側にあることが理由」なのだそうです。
女性は基地に通勤中だったことから、アメリカ側は日米地位協定で第1次裁判権がアメリカ側にある公務中と判断しました。そのため、岩国支部はこの女性を不起訴としたのです。
裁判はアメリカが行うので、日本の検察はこの66歳の男性が死亡した事故について、ほとんど調べることも無く、起訴もしなかったのです。
まるで明治時代に逆戻りしたかのようです。不平等条約によって、外国人の犯罪を日本の裁判所が裁くことが出来なかった治外法権そのものです。
もっとビックリしたのは、この記事が地方紙の第29面の最下段に掲載されていたことです。
朝日などの全国紙には載っていませんでした。
中国船が日本船に衝突して、その船長を帰国させた事件は記憶に新しいと思います。各紙各テレビとも火になって書きたて、日中両国政府や検察を非難しました。
ところが、相手がアメリカならこの静けさです。
ある人が私に言いました。
「このままでは、日本は中国に隷従することになる。それで良いのか。」
私は言い返しました。
「すでに日本はアメリカに隷従しているではありませんか。」
その人は何も言い返してきませんでした。
私たちやその家族が、アメリカの軍人に殺されても、日本の裁判にかけられることは無いのです。日本の検察も起訴ができません。こんな不平等を許してはなりません。
検察審査会の審査を見守りたいと思います。