テレビで大河ドラマの特集をやっていました。第1回の「花の生涯」から今回の「江」までで50回の記念番組でした。
いやあ、懐かしかった。昔の映像もさることながら、その年その年の情景が浮んできました。
私は1964年の第2回「赤穂浪士」から大河ドラマを見ていた記憶があります。その頃は、祖父、祖母、父、母、兄、妹そして私と一家揃ってテレビの前に陣取って、45分間釘付けになっていました。
知りたがり屋の私は、大人たちにいろいろたずねました。
「義経は舟を飛び移るのに、なぜ平家は飛び移らないのか。」
「信長はなぜ逃げずに火事の中、舞っているのか。」
これらは歴史的な名場面のため、みんな教えてくれました。
中でも、一番詳しく教えてくれたのは祖母でした。祖母はその頃視力を失っていましたが、私にとっては何でも教えてくれる先生でした。
弁慶の立ち往生の場面、赤穂浪士の討ち入りの場面、秀吉が死ぬ場面。
テレビの音声を聞きながら、祖母は目を輝かせていました。
今振り返ると、祖母は目が見えないぶん、他の誰よりも想像力を働かせて大河ドラマを見ていたのでしょう。