大相撲秋場所は、9月25日に千秋楽を迎えました。
14日目を終えて、横綱・白鵬と関脇・琴奨菊は12勝2敗で並んでいました。そして千秋楽、琴奨菊は大関・把瑠都に投げ飛ばされ黒星、白鵬は大関・日馬冨士を投げ転がし白星。白鵬が13勝2敗で20度目の優勝を飾りました。
白鵬は先場所、8場所連続優勝を日馬冨士に阻まれ、やや調子を落としていました。
今場所は右差し左上手を取っての速攻で勝ち星を重ねましたが、相撲に重量感を増した琴奨菊に寄り切られ、両手の腕力を増した稀勢の里の左手に突き倒されました。やや相撲に軽さを感じさせた白鵬でしたが、安定感は随一で結局優勝をさらっていきました。
琴奨菊は来場所での大関昇進が確実で、エストニア出身の把瑠都、モンゴル出身の日馬冨士に割って入ることになります。
ファンの期待が大きいのは当然なのですが、気になることがあります。マスコミが、「日本人大関は久方ぶりです。」「日本人に頑張ってほしい。」と、人種や国籍にこだわった報道をしていることです。
たとえば、日本の選手がドイツで女子サッカー・ワールドカップを戦ったり、ロンドンでオリンピックを戦ったりするときは、私も素直に日本の選手を応援します。
しかし、国内で戦っている大相撲では、国籍に関係なく応援します。
白鵬や把瑠都や日馬冨士。みんな少年の頃に来日して親方に弟子入りし、稽古を積んで強くなりました。古くからのしきたりに縛られた相撲界で、トップに立つまでの努力は並大抵ではありません。
しかも、彼らがインタビューに答えるときの日本語の上手なこと。堂々と日本人と言ってよいでしょう。
マスコミの「日本人は日本人力士が好きだ」と決め付けた報道こそ、片腹痛いと思います。