平成24年のセリーグは、予想通りに巨人軍が独走で優勝を飾りました。
ペナントレースは、まったく面白くないの一言。横浜は開幕から最下位に沈み、広島は3位に手の届きそうなところでの9連戦を1勝8敗と大きく負け越し、失速しました。
ある試合の終盤、ノーアウト一、二塁のチャンスでサインは強攻。バッター東出は打って出てショートゴロ。一塁ランナーと二塁ランナーがアウトになりました。
この時期、野村監督は「責任は俺がとる」と言ったそうです。その途端に連敗が始まったようです。チームの中に、監督交代を望んでいる空気が読み取れます。
さて、今私は「死闘。昭和三十七年阪神タイガース」という本を読んでいます。このころは、野球の試合も時代がかっていました。個人と個人の因縁の対決という色彩が濃厚でした。
37年は、阪神タイガースと大洋ホエールズ(現在の横浜)が残り数試合までデッドヒートを繰り広げました。阪神が残り6試合、大洋が残り9試合を残した段階で、阪神が1.5ゲーム差で首位でした。
9月25・26日、両チームは川崎球場で激突しました。
25日の先発は阪神が村山実(この年25勝14敗)、大洋は秋山登(26勝12敗)でした。大洋は、桑田武のホームランなどで3対0で先勝しました。
26日の先発は、阪神が小山正明(27勝11敗)、大洋は前日9回を完封した秋山が連投です。
大洋は、鈴木武の二塁打と近藤和彦の犠牲フライで1点を先取。秋山は、なんと9回をシャットアウトの力投。大洋が0.5ゲーム差で首位に立ちました。絶対有利に立ちました。
この時大洋の監督は三原脩。阪神の藤本定義監督は、昭和11年読売巨人軍がスタートした時の監督で、その時助監督が三原でした。大監督同士のマッチレース、負けるわけにはいきません。
三原はチームの運命をエースの秋山に託し、秋山は首位の阪神を18イニング無失点に抑え、三原の期待に応えたのでした。
しかし、大洋は残り7試合となって川上監督の巨人に3連敗を喫しました。一方、いったん死んだ阪神は、国鉄スワローズ(今のヤクルト)に3連勝で首位を奪還。つづく広島戦で優勝を決めました。
最終順位は、1.阪神 2.大洋 3.中日 4.巨人 5.広島 6.国鉄 でした。
しかし、ここで優勝を決めるという時に、監督の三原はあえて秋山に連投を命じ、秋山はそれに応えて二試合とも完封勝ちで飾ったというエピソードには感動しました。
当時、私は3歳だったので、まったく記憶がありません。
私がプロ野球を観戦し始めた昭和40年は三原、秋山、桑田、近藤は大洋のメンバーで、藤本、村山も阪神のメンバーでした。
その頃も、37年の雰囲気は残っていました。いまのプロ野球より数段面白く、しかも人間臭かったようです。
今で言うと、カープが3位に入るため、エースの前田健太に2試合連投を命じるようなものです。前田が「投げましょう」という気になるかどうか。
チームのため、ファンのためと考えて投げようとするかもしれません。
首脳陣と前田健太の間に、三原と秋山のような人間関係があれば投げるでしょう。しかし、そのような雰囲気はみじんも感じません。
そうなっていない以上、前田投手は目先の一戦だけでなく、来年を見据えてほしいと思います。
2012年9月23日日曜日
2012年9月16日日曜日
平清盛
大河ドラマ「平清盛」を、毎週欠かさず見ています。
これが面白い。なぜかというと、このドラマが史実に極めて忠実に作られているからです。
清盛(松山ケンイチ)は、白河法皇(伊東四朗)のご落胤と呼ばれていました。ドラマでは、このいきさつを忠実に再現しています。
崇徳天皇(井浦新)も、白河法皇が可愛がっていた璋子(壇れい)に産ませた子どもといううわさが立っていました。白河法皇の孫になる鳥羽上皇(三上博史)は、このうわさにこころを狂わせました。なぜなら璋子は自分のお后だったからです。
崇徳は、鳥羽にとっては叔父にあたります。自分の后の子とは言え、祖父の子供だからです。
鳥羽は死ぬまで崇徳をおじご(叔父御)とよび、嫌っていました。しかし、崇徳は自分が鳥羽と璋子の子だと信じていました。
鳥羽のこころは、璋子から得子(松雪泰子)へと移っていきます。ぽやーっとした璋子と、嫉妬の炎を燃やせる得子の恋のさや当てが、ドラマの前半の見どころでした。この鳥羽と崇徳の争いが、藤原氏、平氏、源氏を巻き込んだ保元の乱へ進んでいくのです。
この史実に忠実なドラマを、現在の人気俳優たちがいかに演じるか。そこが醍醐味です。
イメージそのままに演じたのが、平忠盛(中井貴一)、時子(深田恭子)、平重盛(窪田正孝)です。とくに、窪田の演じる重盛はなかなか良い。重盛の苦悩をよく表しています。
一方、イメージとまったく異なるのは、後白河法皇(松田翔太)、藤原信西(阿部サダヲ)です。後白河のぷらぷら遊び呆けるさま、信西の元気の良さと明るさ、いずれも新しい人間像を演じています。
また、白河、鳥羽、崇徳、後白河といった皇室は、すごく丁寧に人間臭く描かれています。これも面白い。
女性がいきいきと描かれているのも、ドラマの魅力のひとつです。璋子と得子、後白河のお后となる滋子(成海璃子)、そして北条政子(杏)。成海も杏も、大胆な役柄が似合う女優さんだと思います。
これだけ面白いドラマが、なぜ低視聴率なのでしょうか。
恐らく、歴史ファンには受けるけれども、一家揃って見るには難しいストーリーなのでしょう。
しかし、最後まで難しいストーリーで突っ走ってもらいたいものです。
これが面白い。なぜかというと、このドラマが史実に極めて忠実に作られているからです。
清盛(松山ケンイチ)は、白河法皇(伊東四朗)のご落胤と呼ばれていました。ドラマでは、このいきさつを忠実に再現しています。
崇徳天皇(井浦新)も、白河法皇が可愛がっていた璋子(壇れい)に産ませた子どもといううわさが立っていました。白河法皇の孫になる鳥羽上皇(三上博史)は、このうわさにこころを狂わせました。なぜなら璋子は自分のお后だったからです。
崇徳は、鳥羽にとっては叔父にあたります。自分の后の子とは言え、祖父の子供だからです。
鳥羽は死ぬまで崇徳をおじご(叔父御)とよび、嫌っていました。しかし、崇徳は自分が鳥羽と璋子の子だと信じていました。
鳥羽のこころは、璋子から得子(松雪泰子)へと移っていきます。ぽやーっとした璋子と、嫉妬の炎を燃やせる得子の恋のさや当てが、ドラマの前半の見どころでした。この鳥羽と崇徳の争いが、藤原氏、平氏、源氏を巻き込んだ保元の乱へ進んでいくのです。
この史実に忠実なドラマを、現在の人気俳優たちがいかに演じるか。そこが醍醐味です。
イメージそのままに演じたのが、平忠盛(中井貴一)、時子(深田恭子)、平重盛(窪田正孝)です。とくに、窪田の演じる重盛はなかなか良い。重盛の苦悩をよく表しています。
一方、イメージとまったく異なるのは、後白河法皇(松田翔太)、藤原信西(阿部サダヲ)です。後白河のぷらぷら遊び呆けるさま、信西の元気の良さと明るさ、いずれも新しい人間像を演じています。
また、白河、鳥羽、崇徳、後白河といった皇室は、すごく丁寧に人間臭く描かれています。これも面白い。
女性がいきいきと描かれているのも、ドラマの魅力のひとつです。璋子と得子、後白河のお后となる滋子(成海璃子)、そして北条政子(杏)。成海も杏も、大胆な役柄が似合う女優さんだと思います。
これだけ面白いドラマが、なぜ低視聴率なのでしょうか。
恐らく、歴史ファンには受けるけれども、一家揃って見るには難しいストーリーなのでしょう。
しかし、最後まで難しいストーリーで突っ走ってもらいたいものです。
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