2009年11月16日月曜日

えん罪事件

足利事件という、女児殺害の事件がありました。犯人とされた容疑者のDNA鑑定をやり直してみると、別人のDNAであることが判明し、無実という結果に なりました。福岡県の飯塚事件でも、同様にDNA鑑定が誤りである可能性が生じましたが、それは被疑者は死刑に処せられた後でした。

 マスコミは、いかにもこの人物が犯人だなどと断定した報道をします。警察も、事情を聴く前に警察署に連れていきます。なにもしていない人が痴漢 容疑で逮捕され、拘置所に入れられるというえん罪事件も多いと聞きます。マスコミには事実に基づいた報道が、警察には事実に基づいた逮捕や拘引が求められ ます。

 私も無実の罪を着せられそうになったことがあります。ある大型古書店の自転車置き場の前を歩いていたところ、「こりゃ。そこへ置いちゃいけ ん。」と後から大きな声がしました。構わず歩いていると、古書店の腕章をつけた男性が追い掛けて来て、1台の自転車を指差しながら「置いちゃいけん。」と 叫びました。

 「自転車を置いてはいない。何を証拠にそう言うのか。」と反問すると、「見りゃあ自転車が置いてあって、あんたが向こうへ歩いていったけえ。」 と男性。私が置いたところを見てもいないのに犯人扱いです。「古書店に言いに行きましょうか。」と言い返すと、ひるんで引き返して行きました。

 もしこれが違法行為の疑いをかけられ、警察署に連れて行かれたら・・・。
さらに周囲にマスコミがいたら・・・。大いに報道されたことでしょう。

 現代社会は、一瞬にして犯人にされ無実の罪を着せられる、という恐ろしさをはらんでいます。
 しかもそれは簡単に、誰にでも起こることなのです。