2009年12月30日水曜日

恐怖の道路工事

 年末の挨拶周りも一段落しましたが、はっとするようなご意見やご要望を聞くことがあります。先日、江田島市に住んでいる知人からこんな話を聞きました。
 知人のお母さんが急病で倒れ、救急車で県立広島病院に搬送することになりました。フェリーで広島港まで着きましたが、現在建設中である広島南道路の地上部分(これは海岸通と呼ばれています。)に入った途端、渋滞で一歩も前へ進めなくなりました。
 一刻を争う病状に知人も救急隊員も気が気では無かったそうですが、パトカーの先導によりようやく病院に到着し一命を取り留めたそうです。
 
 道路工事は国交省広島国道事務所の管轄です。この件について説明を求めると、中年の共同溝課長と若い建設監督官がやってきました。
 救急車が通った日は12月16日は確かに片側1車線しか通れなかったが、説明に来た12月25日は片側2車線で広くなっているから大丈夫だという説明でした。「完成予定の22年4月まで狭くなることは無いのか」と問うと、1月4日から1月末日まで再び片側1車線ずつになるとのことでした。
 
 「工事で狭くなることを誰かに言うことになっているのか」と聞くと、所轄の消防署と警察署に報告が義務づけられているという答えでした。その場で消防局の救急部長に聞くと、そんな話は聞いていないと正直に答えました。
 部長が所轄である南消防署に聞くと、6月に道路工事の話は聞いていたとのことでした。その情報は、広島市内のすべての消防署に情報を流したそうです。
 その一方で、江田島市などの近隣の市町へは伝えていないとのことでした。広島市の救急車は工事現場の渋滞を迂回して進むことができます。しかし、他の市町の救急車は知らずに渋滞に突入してしまい、この度のようなことになるのです。
 
 工事の時期と車線の数が変わる事については、市の南道路担当課長も知りませんでした。国も市も広島市内の道路工事をやっていますが、お互いにどこでどんな工事をやっているかは秘密にしているとしか言えないほど、それぞれが勝手にやっています。
 消防も、市の消防車や救急車だけが円滑に走行できれば良いと思っています。他の市町のことは知ったこっちゃないという様子です。
 万一、事故が起きたときには、みんな「私のせいではありません。」と口々に言うでしょう。
 
 1月4日から片側1車線で工事が再開されますが、何かトラブルが起きないか心配です。
 このようなことは二度と繰り返してはならない出来事であり、待避のための路側帯を確保するなど、手段を講ずれば防止できることだと思います。それにしても、その救急車に乗り合わせていたらと思うと、恐ろしい気持ちでいっぱいです。