20年ほど前、海外へ行く時には大韓航空をよく利用していました。
大学院の学生時代に海外に行き、日本に帰る前にソウルに降り立った時のことです。金浦空港で「今からツアーに連れて行きますからどうぞ参加ください、料金はいりません。」と声がします。疲れていましたが、ただならばと思い参加したところ、総勢15名ほどの日本人が集まりました。
若い女性のガイドさんが、上手な日本語で説明しますが、私のように今から日本に帰る人や、今からハワイに向かう人、誰もソウル旅行を目的できたわけではありません。後方の座席では皆寝ているようです。誰も何もたずねないので、私が「あのタワーは何ですか。あの建物は?」などとたずねました。
するとガイドさんから、「ひとつ私からおたずねしてよろしいでしょうか。」と真面目な顔で質問がありました。何だろうと構えていると、「お正月の挨拶は、おめでとうございますですよね。大晦日のご挨拶はなんでしょうか。」
一瞬、はてと思いましたが、「よいお年を、ですね。」と答えました。
ガイドさんは納得した様子で、「おおそうですね。よいお年を、ですね。なるほど。」と言い、私も「そうです。大晦日に日本人はみんな、よいお年を、と挨拶して別れます。」と二人で笑いました。ガイドさんは、バンさんといって英語、日本語に堪能な才女でした。日本語の試験があるために勉強していたようでした。
皆様、今年はご愛読いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
それでは、よいお年を。