11月23日の午後2時半すぎ、北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)に駐屯する北朝鮮軍から、韓国の大延坪島(テヨンピョンド)にむけて砲撃が開始されました。約80発の砲弾が島に着弾し、兵士2名と民間人2名が死亡しました。
韓国軍も応戦し、海峡を挟んで砲撃戦となりました。両軍の戦闘機も上空で遭遇しましたが、航空戦は回避されました。砲弾を浴びた島民は防空壕に避難しましたが、着弾した榴弾の破壊力は大きく、家屋は一発で倒壊していました。
これは戦争です。
1950年に始まった朝鮮戦争は1953年に休戦協定が成立し、休戦ラインを国境線としています。しかし、戦後の平和条約の締結には至っておりません。つまり戦争は一時休戦の状態で、常に一触即発の状況で推移しているのです。
朝鮮戦争を戦ったのは、国連軍、韓国軍対北朝鮮軍、人民革命義勇軍(中国軍)です。義勇軍といいながら、中国軍の中枢にいた彭徳懐将軍が率いていましたので、中国の正規軍と言えるでしょう。
直接干戈を交えた米・韓・朝・中の4カ国に、中・朝に武器供与したロシア(当時はソ連)、米軍に基地を供与した日本を加えた6カ国協議。
6カ国協議は、協議の場で取り決めたことを遵守させることで、北朝鮮を抑え込もうという狙いです。その成果は、今のところ大きいとはとは言えません。しかし、当事者の6カ国が対話することでしか、朝鮮半島を含む東アジアでの平和は訪れません。
日本は武力行使が出来ませんので、平和への道筋を示し、存在感を発揮するほかは無いと思います。広島市の核兵器廃絶への取り組みに対して政府が真摯に向き合い、日本は他の5カ国へ向けて強い平和のメッセージを送ってもらいたいと思います。