「GANTZ」(ガンツ)という映画を観て来ました。原作はコミックで、死んだ人間がよみがえって、ガンツ球という黒い球の指示により宇宙人と戦うという設定です。
荒唐無稽なストーリーですが、登場人物の一人一人は一度死んでいます。その死因や人物の背景は、現実味を帯びた深遠なものです。
主人公の玄野(二宮和也)は、存在感の薄い大学生。
玄野の同級生、加藤(松山ケンイチ)は弟に対し暴力を振るう父親を殺害した前科を持つ青年。
玄野と加藤は地下鉄に轢かれて死にます。
岸本(夏菜・なつな)は、男性にふられ浴室で手首を切って自殺します。
西(本郷奏多・ほんごうかなた)は、友人のいない高校生。死因は事故ですが、いじめにあったあげく屋上から投げ落とされたという話もあります。
家庭内暴力、いじめ、男女関係のもつれ。いずれも現在の日本の深刻な問題であり、自殺や殺人に容易に結びついています。原作者も映画の監督も、この問題を敏感に察知して作品に仕上げたのだと思います。また、観客の誰もが、この問題を何とかせねばと感じながら見ているのではないでしょうか。
しかし、世の中に改善のきざしはありません。
広島市でも取り組んでおりますが、有効打を放つことができていません。
新しい任期4年間で、これらの難問に対する有効打を何本も放つことができるよう、粘り強く取り組んでいきます。