プロ野球交流戦も、たけなわとなってまいりました。ここにきて広島カープは、50イニングス連続無得点のセ・リーグ記録を打ち立てました。まことに不名誉な記録です。日本記録は、1953年大映スターズが記録した59イニングス無得点です。
この年の大映は弱小チームだったのかと思い、色々と調べてみました。しかし、南海ホークス、阪急ブレーブスについで、7チーム中3位のAクラスでした。
さすがに貧打ではあったようで、チーム打率が.237で6位。しかも、この年のホームラン王である西鉄ライオンズの中西太の36本に対し、大映は規定打席に到達した6人を合計しても23本にしかなりません。ホームランの打てないチームでした。
しかしチーム防御率は、2.67で1位でした。エースの林義一が17勝11敗、姫野好治が13勝12敗、ビクトル・スタルヒンが11勝9敗、高松利夫が9勝9敗、小川善治が6勝8敗と、投手陣が揃っていました。少々打てなくても、ピッチャーが抑えて勝つというチームだったのでしょう。
監督の藤本定義は、1936年のプロ野球発足以来、巨人軍をはじめとする名門の監督を歴任したベテラン監督でした。特に投手の養成や起用法に秀でていました。
私は1960年代の後半から、巨人・阪神戦をテレビで観ていましたが、阪神の監督としてベンチに立つ、高齢の藤本監督を思い出します。村山実、江夏豊、ジーン・バッキーらを擁してV9巨人に向っていった姿は語り草です。当時の阪神も貧打のチームでしたが、この時も1,2点取れればピッチャーが抑えて勝つというチームでした。
今のカープは、1,2点とれれば勝つというチームとは違います。
また、こうもころころと選手を替えてしまっては、選手は信頼されていないと感じるでしょうし、何を目指しているのかも見えないでしょう。
どのような野球で勝負するのか。それをはっきりさせることは、目先の結果よりも大事なことだと思います。