2011年6月23日木曜日

広島市中央図書館(後編)

 5月の10,11日、広島市に大雨が振りました。そのため広島市の貴重な古文書を収蔵している浅野文庫へ雨漏りし、古文書が濡れてしまいました。幸い古文書は毀損するほどではありませんでした。自然に乾燥させて、ほぼ現状に戻すことができました。
 12日の朝、浅野文庫の雨漏りを発見した図書館員が、すぐに屋上へ上がりました。浅野文庫は3階にあり、その上は屋上です。
 屋上は雨水が溜まって、プールのようになっていました。雨水を流す排水口があるのですが、水が流れていません。
 図書館の周辺は樹木たくさん生い茂っています。木の葉が舞い上がって排水口を覆い、雨水が流れずにプール状になったのです。そのため、屋上を覆っている遮水シートの下に雨水が流れ込み、天井から壁伝いに水がしみこんで古文書を濡らしたことが分かりました。

 ここからが前々回の屋上へ向かう続きです。
 
 私は6月3日に図書館を訪れ、浅野文庫に入りました。壁、床、天井は総ヒノキ張りでした。ヒノキの天井の裏側はコンクリートの天井でしたが、その上は屋上とのことでした。屋上から水が漏れれば、すぐにヒノキの天井が濡れることになります。
 新聞で有識者が、「なぜ1階や2階に浅野文庫を配置しなかったのか理解に苦しむ。」と述べていましたが、全くその通りだと思いました。

 屋上に上がると、シートが屋上いっぱいに敷き詰められていました。そして、シートと屋上とのすきまに溜まる空気を抜くパイプが立ててありました。前日の昼ににわか雨があり、そのせいで屋上にはわずかに水たまりができていました。

 水たまりの真下はどの部屋なのか尋ねると、図書館長は「浅野文庫です。」と答えました。排水溝にも水があり、この下も浅野文庫でした。ちなみに、乾いている屋上部分の下は事務室でした。
 平成9年に屋上の改装をしたようで、結果として浅野文庫の上に水たまりが出来る構造になり、一番先に雨水が染み込むようになってしまったのです。事務室に雨が漏るより先に、浅野文庫に雨漏りしてしまうようになりました。

 工事によって改善される手立てがあれば行いなさいと指示しました。
 とは言え、一番の原因は排水口に溜まった木の葉を掃除していなかったことです。これからは、図書館員が毎日屋上に上がって、木の葉を掃除すると言っています。どうやって確実に、かつ継続的に履行させるのかが課題です。

 広島市の市民局生涯学習課が、公園課に「木を切ってほしい」と頼んだり、営繕課に「屋上の工事をして水がたまらないようにしてほしい」と依頼したりしました。
 しかし、「まずは葉っぱを掃除しなさいと」言われてしまうと、図書館側は何も言えませんでした。