2011年12月4日日曜日

松井一實市長の挨拶

12月4日は、安芸区畑賀地区へ行ってきました。当地にあった国立療養所畑賀病院を、広島市医師会運営・安芸市民病院と改組して10周年。それを祝う記念祭りが開かれ、出席させていただきました。

 平成11年に廃院が決まりかけていた畑賀病院を、存続させるために立ち上がられた地元の皆さんもたくさん来られていました。大変なつかしい方々にお会いできて、感動しました。

 当時、地元の方々は秋葉忠利市長を突き動かし、さらに広島市医師会・碓井静照会長を動かして、広島市が設立して医師会が運営する病院へとよみがえらせました。そのパワーたるや他に例を見ない大きなもので、新米の市議会議員だった私は非常に勉強させられました。

 秋葉市長の後、広島市長となった松井一實氏は、4日の記念まつりの開会セレモニーで挨拶されました。用意の原稿を読み上げる前に、ご自身の言葉であいさつされました。その一節です。

 「朝から雨が降っていましたが、今は晴れています。澄みきった抜けるような青空です。そして私が立っているこのステージから山が見えます。山は紅葉で美しく彩られています。真っ青です。・・・(以下省略)」

 私は驚くとともに苦笑を禁じ得ませんでした。どうして紅葉した山が真っ青なのでしょうか。

 その後、この話を友人にすると、市長はこう言いたかったのではないかと言いました。

 「澄みきった空が紅葉した山に映えて、真っ青です。」

 私は目からウロコが落ちる思いでした。
 その言葉を聞き、ゴッホの絵が頭に浮かんできました。
 あくまで真っ青な空、そして燃えるように紅い山。そのコントラストの美。

 なんと含蓄のある挨拶だったのでしょう。いかにも役人然とした風貌とは対照的に、口から発する言語は「芸術」なのです。

 市長の談話は、「難解だ」と言われています。
 それもそのはずです。「芸術」なのですから。