(前回からのつづき)
店の所在地の管轄はどこの警察署か聞くために、まずは中央署に行きました。
女性の警官が迎えてくれたので、私はたずねました。
「この店はE町にあるのですが、管轄は中央署ですか、南署ですか。」
「少々お待ちください。」
5分ほど後、女性警官はこう言いました。
「この廊下の突き当たりの右手でお聞きください。」
上司から、そう言えと言われたのでしょう。たらいまわしにされると思い、私は彼女に言いました。
「あなたにお聞きしたのですから、あなたから管轄の署をお答え下さい。」
「少々お待ちください。」
今度は10分たっても戻ってきません。放っとかれたので、
「ここの警察は自分の管轄もわからんのか。」
と、おらんでみました。
すると、つい立てのうしろから一人の警官が出てきて、自分はT巡査部長であると名乗りました。事情をを説明したところ、
「少々お待ちください。」と言い、私たちの前から去りました。
ほどなく現れて、南署の管轄であると教えてくれました。さらにこう付け加えました。
「南署の刑事課に行ってください。私から電話しておきます。」
「ご親切に、どうもありがとうございました。」とお礼を述べて、私たちは外へ出ました。
すぐに南署へ行ったのですが、刑事課は2つありました。T巡査部長はあんまり親切に無いのうと思いましたが、まず刑事第一課へ向いました。
部屋に入ったところ、8人ばかりの警察官がおり、作業をしたり話し合ったりしていて誰も私たちに視線を向けようとしません。
そこで、
「ただいま中央署のT巡査部長から、こちらに連絡していただいた松坂とOOです。被害届けを出しにまいりましたので、ご対応お願いします。」
と、おらびました。
視線はこちらに集中しましたが、誰も対応しようとしません。T巡査部長が連絡していなかったのか、したけれども南署が無視したのか、それは不明です。
「ここの警察は、ご対応していただけないのですか。」とおらんでいると、ひとりの警察官が「こちらへどうぞ」と別室に案内してくれました。彼はY巡査部長と名乗りました。
二人で1時間話し、Y巡査部長含めて三人の警察官が聞いてくれました。ここで、Y巡査部長は中座しました。五分くらいして戻ってきて、私にこう言いました。
「あなたは、帰っていただけませんか。」
どうやら、もっと本人と話がしたいということでした。私は了解して外に出ました。Y巡査部長は私を玄関まで送り、この事件についていろいろ話してくれました。
結局、被害届けは受理してもらえませんでしたが、相談に来たことはY巡査部長が記録に残してくれました。
目的は達し、知人は喜んでくれました。
それにしても、この警察の対応はどうしたものでしょう。一般市民が一人だけで行っても、とても歯が立たないだろうと思われる敷居の高さです。
さしものオオム真理教の平田信も、警察の敷居はさぞや高かっただろうと思います。
警察とは、一体何をするところなのか考えさせられます。