テニスの全豪オープンで、準々決勝に進出した錦織圭選手(世界ランキング24位)は、イギリスのアンディ・マリー選手(同ランキング4位)に、3-6,3-6,1-6の0-3で完敗しました。
22歳の錦織選手は、ここ最近で急激に実力をアップし、ランキングも急上昇しました。そして、松岡修造選手以来の四大オープンベスト8に進みましたが、あえなく敗れました。
実力差ははっきりしていましたが、まだ22歳です。まだまだ強くなって欲しいと思います。
ベスト4に進んだ日本人選手では、最近では伊達公子選手、戦前はブルドッグの異名を取った佐藤次郎選手、そして日本テニス界の黎明を飾る清水善造選手です。彼らの成績を誰もしのげないというところに、日本のテニス界の底の浅さを感じます。
特に佐藤次郎選手は、4大オープンで日本人最多の5回のベスト4進出を遂げています。全仏、全英でベスト4に進んだ1933年には、世界ランキング3位にのぼりました。1位のジャック・クロフォード(豪)、2位のフレッド・ペリー(英)をも過去に破っており、世界トップクラスの選手として認められていました。
佐藤選手は、1934年日本テニス協会からの「国別対抗戦のデビス・カップでは必ず勝て」との強い圧力に耐えかねて、デビス・カップ戦に向うマラッカ海峡の船上から、投身自殺をします。26歳の若さでした。
テニスの世界大会というと、この佐藤選手の悲劇が思い出されます。
錦織選手のベスト8進出の記事に、一部の全国紙が佐藤選手と清水選手の業績を載せていました。苦闘した先人の功績を知らしめなければ、現代の日本人にはテニスの4大タイトルの厚く高い壁は理解できないのではないかと思います。