2月5日、全柔連の吉村和郎強化担当理事が辞任しました。女子選手15人による告発は、「前強化委員長」の辞任を求めていました。「前強化委員長」とは、吉村氏のことです。
吉村氏の本意がどこにあったのか。辞任の記者会見では、はっきりとは明言しませんでした。
ただ、昨年の9月ロンドンオリンピックの後に、強化委員長として臨んだ記者会見では、「辞任するのか」との記者の質問に「おまえら、おれを辞めさせたいんやろ」と反論し、辞任の意思が無いことを明確にしています。
一方で、期待された女子柔道チームが金メダルわずかに1個にとどまったことについて「自分が責任を取って進退伺いを出す」とも言っていました。しかし、全柔連の幹部の小野沢弘史専務理事によると、吉村氏は進退伺いなど提出していないそうです。
翌月、吉村氏は新設された全柔連の強化担当理事に就任しました。
吉村氏のためにつくられたポストです。
吉村氏は1951年生まれ、1986年に全柔連のコーチに就任して以来27年間全柔連に所属しています。
1996年に全日本女子チームの監督に就任。2004年のアテネオリンピックでは、女子柔道が金メダル5つを獲得しています。
きわめて長い間、日本柔道界に君臨してきた指導者であるがゆえに、思うがままにふるまってきました。
辞任した園田監督は、吉村氏の警視庁柔道部の後輩です。吉村氏が園田氏の指導に影響を与えたことは容易に想像できます。
15人の告発にあるように、園田前監督の暴力やハラスメントによって、選手は心身ともに傷つけられました。園田氏の行為は、吉村氏そして吉村氏に連なる柔道界の幹部の持つ体質そのものです。
これを機に、日本柔道界が選手の尊厳を尊重する組織に変わってもらいたいと思います。
ひるがえって広島市役所も似たような体質にあるといえましょう。
庁内で多くのパワーハラスメントを見聞きしています。それを見て見ぬふりをする管理職がいます。吉村氏、園田氏のような上司や管理職がたくさんいるのが広島市です。
この際、多くの吉村氏、園田氏には退いていただき、新しい風通しの良い組織に変わってほしいと思います。