2013年2月4日月曜日

園田監督の辞任

 柔道女子日本代表監督の園田隆二氏(39)が2月1日辞任しました。選手への暴力やパワーハラスメントが原因です。

 全国各地でスポーツの監督やコーチによる暴力が明るみに出てきています。
 大阪市立桜宮高校のバスケット部の高校2年生の主将が、顧問の教員から数十発にわたって殴打され、翌日の平成24年12月23日に自殺したこともきっかけの一つでしょう。

 広島市内でも、野球やサッカーの強豪校で暴力が振るわれてきたことを知っています。私の知る限りでは、暴力を振るったとされる監督やコーチは、転勤などの処分(?)を受けています。
 なんとなくうやむやに終わって、表ざたにはならなかったものの、同じ学校では同じ暴力は振るえなくなりました。一応の改善とみて良いでしょう。
 
 

 一方で、桜宮高校の教師は15年以上も在籍して暴力を振るい続けていたといいます。これは異常だと言えます。許されないことです。
 桜宮高校のバスケット部は強豪として名が通っており、バスケットをしたいから桜宮高へ入った生徒もたくさんいます。殴られてもいいから、頑張って良い成績を上げたいという思いを持つ子もいると思います。
 また、暴力を振るったとしても、強いチームに仕立て上げた監督を擁護する保護者もいます。

 それはどちらも間違った考えだと思います。暴力を振るわれてもよいから勝ちたい、上手くなりたいという考えは時代遅れです。
 もしそれで勝ったとしても、誤った認識を持った指導者を育てる一因にもなります。

 そんな中で、柔道のトップアスリート15名が、園田監督の暴力やパワハラを文書で糾弾したことは画期的だと思います。しかも。選手の申し出を無視して、監督をそのまま居座らせようとした全日本柔道連盟やJOCにも、改善を文書で申し入れました。
 選手たちの勇気に拍手を送りたいと思います。

 園田監督が指揮したロンドンオリンピックでは金メダル1個に終わり、マスコミは「惨敗」と表現しました。惨敗の原因は園田監督の指導にあり、その監督が選手に暴力を振るっていたので糾弾されましたという、分かりやすいシナリオです。

 しかし、ちょっと考えてみましょう。
 暴力を振るっていた園田監督のもとで、女子柔道が金メダルラッシュだったらどうなったのでしょうか。暴力が続くことに対し、選手やマスコミはどう反応したのでしょうか。
 

 その答えはわかりませんが、はっきり言えることがあります。金メダルラッシュは、あり得ないことでした。今回の 暴力による指導が、金メダルに価しないことが明らかとなりました。
 

 スポーツの世界での暴力の根絶を、自殺した高校生が願っていたこと、また15名の柔道選手が願っていることは事実です。

 私も根絶を願う者の一人です。

 せめて広島市の学校現場での暴力は、根絶したいと思います。