漫談家の牧伸二さんが亡くなられました。享年78歳でした。自殺と言われています。
私が物心がつく頃には、牧さんはテレビの大スターでした。
小学校の三年生のころ、当時大スターだった東京ぼん太の司会するお笑い番組の常連でした。21時45分からの番組でしたが、宵っ張りの私は祖母や母と観ていました。
牧さんは、時事ネタや社会ネタをお得意のウクレレで伴奏をつけて歌っていました。
「あーあーあ、やんなっちゃたあ、あーんああんあん驚いた。
フランク永井は低音の魅力ぅ
○○○○×××(歌手名を覚えていない)も低音の魅力ぅ
水原弘も低音の魅力ぅ
漫談の牧伸二は低能の魅力
あーあーあ、やんなっちゃたあ、あーんああんあん驚いた。」
当時、フランク永井と水原弘は歌謡番組の常連で、「低音の魅力」は二人の代名詞でした。 母は二人の大ファンで、このネタも大笑いしていました。
ところで、私は日頃、父から
「自分を馬鹿だと思え。思っているうちはもっと勉強する」
と、説教されていました。
自分を馬鹿だと思いながら、勉強してえらくなることは、子どもにとってはなかなか大変でした。
しかし、この歌を聴いて
「牧伸二は自分を低能だと思っていて、それで笑いを取っている。それならば、自分を馬鹿だと思っても牧伸二くらいか。」
と、妙に力が抜けた記憶があります。
今思うと、大変ませた子どもでした。
ドリフターズやビートたけしの番組が子どもに悪影響を与えると言われていました。
芸能人は、良くも悪くも子どもに影響を与えます。
牧さんが幼い私に与えたのは悪影響だったのでしょうか。
それは読者のみなさんに判断してもらいましょう。
ご冥福をお祈りします。