広島市映像文化ライブラリーは、広島市中央図書館と合築で1982年(昭和57年)開館しました。日本の映画作品を中心に、貴重な映像を収集して上映しています。
わたしも古い映画、名作映画が好きで何度か足を運びました。昭和58年に山本薩夫監督、田宮次郎主演の「白い巨塔」を観に行ったときは超満員の札止めで、次の上映の券を買って時間をつぶしてから入場しました。
それから何度か観に行きましたが、黒沢明監督、森雅之主演の「白痴」を観ていた時のことです。高齢の女性が、面白くなかったのか声高におしゃべりを始めました。映画は3時間ほどの大作のため、2時間くらいそのおしゃべりを聞かされました。その後はあまり観に行かなくなりました。
先日、故・大島渚監督の「絞死刑」を観に行きました。きわめて難解な映画でしたが、わたしのひとつ後ろの列の男性2名と女性2名とが、声高に「おもしろうないのう」 「なんじゃーこりゃー」とかしゃべっていました。いずれも高齢の方々でした。
大半の観客は静かに鑑賞されていましたが、我慢されていました。
他にも気づいたことがありました。
「絞死刑」の上映は14時からでした。12時半にライブラリーに行くと、券売機が一階のロビーにありました。券売機の前に立札があり、13時までは入場券を発売しないと書いてありました。
隣の窓口で聞いてみましたが、13時までは売らないと言われました。その理由は言われませんでした。
ここで待つかと思いましたが、ロビーには一脚の椅子も無く、高齢の男性が床にじかに腰かけていました。奇異な光景でした。
図書館に入ると、二階に大きな廊下があり南北に向かっています。
地下の食堂からその廊下に上がり南に歩いていると、「左に曲がるとライブラリーの二階に出る」と表示がしてありました。その通りに進むと、ライブラリーの二階にでました。そこにはカウンターがあって二人の女性が立っていました。入場券は持ってないと言うと、一階で買ってきてくださいと言われました。
このカウンターではチケットは売らないのだそうです。券売機は二階には無いので、階段で一階におりてから購入した後,こんどは階段を上がって二階に上がりました。
ようやくカウンターを通ることができましたが、手間を取らせて申し訳ないという言葉は無く、気遣いの気持ちは感じられませんでした。
以前に来たときとは券の購入の仕方も変わっており、述べたように戸惑うことがいくつもありました。映画館としての魅力も感じなければ、職員にも新しく鑑賞者を増やそうとか、一度来た人に二度目もまた来てもらおうという気持ちが感じられません。
この疑問を清水正剛図書館長に聞くことにしました。
(つづく)