公立の中学校で武道が必修化され2年目を迎えました。私にとって嬉しいニュースは、広島市立の中学校では1年目にまったく実施されなかった相撲が、2年目から採用されたことです。
古田中学校の1年生の女子の体育で採用されたとのことで、さっそく教育委員会にお願いして授業を参観させてもらいました。
指導されるのは保健体育課の小林瞳先生です。小林先生は平成24年度全日本女子相撲選手権大会3位、平成25年度広島県女子相撲選手権大会優勝と、輝かしい経歴を持っています。
私がおじゃました日は、全10回の授業のうちの4回目でした。女子生徒が相撲を取るということで、気恥ずかしさが先に立つのではと思いました。しかし、実際に見学するとそんな心配は吹き飛びました。
まず立礼のあと蹲踞(そんきょ)の姿勢をとり、塵手水(ちりちょうず))の手順を「いち、に、さん、し」と号令をかけながら正確に行っていました。
受け身の練習をして、いよいよ取り組みです。表面に土俵を模した円が画いてあるマットに上がり、立礼、蹲踞、塵手水まできちんと作法通りに行います。姿勢がたいへん美しく感激でした。
取り組みは仕切り線に手をついての押しずもうでした。まわしをつかんで投げたり、引き倒したりはできないので、二人がひたすら押し合います。
私もマットのそばで、子どもたちといっしょになって 「のこった。のこった。」と掛け声をかけました。体力が均衡しているので、どの取り組みも大熱戦でした。一番取っただけで、みんなへとへとになっていました。
最後にみんなでマットをたたんで、体育館のすみに片付けです。手際よく納めていました。
小林先生が講評を述べられました。「みんな集中して授業に取り組んでいます。今日は、たいへん良い授業ができました。」
さすがに相撲の第1人者だけあって、指導が的確でした。生徒が夢中になって授業を受けていましたが、ひとえに小林先生が相撲の面白さを教えてくださっているからだと思いました。
校長先生は、来年度からは男子の体育でもやってみたいとおっしゃっていました。少しでも多くの子どもたちに、相撲の魅力を味わってほしいと思います。