広島市には障害者手帳を持っている方が、身体で40089人、知的で6666人、精神で8389人いらっしゃいます。
友人の精神科医が、「精神障害者を支える仕組みが無い。」と言うので、調べてみました。すると、仕組みはあるものの利用されていないことがわかりました。
広島市が提供するサービスのひとつに、外出支援サービスがあります。そのうち移動支援事業の実利用者数は、2009年度の1年間で身体975人、知的658人に比べると、精神は74人に留まっています。また社会参加支援ガイドヘルパー派遣事業は、身体308人、知的251人に比べて精神は8人です。
これは精神障害者や家族、精神科医や通所施設の人たちの中で、このサービスが知られてないからだと思います。
私は6月21日の厚生委員会でこの問題を指摘し、「情報提供につとめ、利用を高める。」との答弁を引き出しました。
制度に不備がある点も追求しました。広島市は障害者の住宅改造費を補助する制度を持っています。しかし、なぜかその対象は身体と知的の障害者に限られています。
自動車やヘリコプターなどの騒音に対して過敏で、容易にパニックに陥ってしまう精神障害を持つ人もいます。そのような人に対して、窓を二重にするなどの住宅改造は制度に当てはまるのではないかと指摘していました。
しかし、広島市の健康福祉局の課長たちは理解できませんでした。そこで私が「障害者の自立支援について、精神障害者は当てはまらないのか。厚生労働省に聞いてみてください。」と頼みました。その後、担当課長は「厚生労働省に聞くと、当てはまるとのことでした。」と答えました。期待していた通りの結果でした。
この点についても21日の厚生委員会で質問すると、「住宅改造費補助の要綱を改正します。」という答えが返ってきました。
これで精神障害をお持ちのかたも、住宅改造の補助を受けられることとなりました。
当たり前のことを認めてもらうためにも、時間と労力がかかります。
しかし、大いなる前進と受け止めたいと思います。