2010年7月20日火曜日

転職

 友人が転職するというので、話を聞きました。なかなか高い理想を掲げての再出発で、こころから応援したくなりました。
 
 かくいう私も、37歳の時に転職しております。医師から政治家を目指しての転職でした。
 患者さん自身の病気は治せても、患者さんの背景にある悩みや貧困、苦悩などが取り除かれない限り、患者さんは本当の意味では健康になれない。医療に従事している時にそう感じており、転職を決意しました。

 よく言われることがあります。
 「医者をやっているほうが、収入もええし良かったじゃろうに。」

 私はこの質問にはこう答えます。 
 「孫文もマラーも大村益次郎も、医者をやめて革命家になりました。彼らが医者をやめて、後悔していたとはとても思えません。」

 孫文は外科医を開業していましたが、外国人に侮られる清朝の惨状に憤り、革命を目指しました。その活動は、辛亥革命から人民中国の建設へと繋がります。

 マラーは、ダントン、ロベスピエールと並ぶフランス革命の三人衆です。ロンドンで開業していましたが、パリに帰り、新聞「人民の友」を発行し、大衆を革命へと扇動しました。フランス共和制のいしずえを築きました。

 大村益次郎は幕末の長州藩士です。医業を修めた頃、長州の桂小五郎から請われて軍事参謀となり、戊辰戦争に勝利。さらに新政府で徴兵制度を導入し、武士という階級を葬ったのでした。近代陸軍の基礎を築きました。

 マラーは50歳、大村は44歳で暗殺されています。孫文は暗殺されたのではありませんが、「革命未だ成らず、」と無念の一言を残し、54歳で病死しています。
 とはいえ、彼らの理想は実現したと言えましょう。

 私にとりましては、「広島市政の改革未だ成らず、」という心境です。