大相撲初場所11日目、横綱白鵬は関脇稀勢の里に突き出され、初日からの連勝は11でストップしました。
先場所連勝記録を63で止められた稀勢の里に今場所も苦杯をなめました。
「負けて騒がれる力士になれ」
ある親方が将来有望の力士に言った言葉ですが、白鵬は見事に負けて騒がれる力士となりました。
負けて騒がれる力士というと、私の記憶では大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花、朝青龍の5人の横綱でしょうか。
昭和の大横綱双葉山が強かった理由は、同じ相手に続けて負けなかったことです。70連勝を阻んだ安藝の海には、その後二度と負けませんでした。
そんな全盛期の双葉山を、昭和15年の1月場所と5月場所に連続して倒した力士がいます。五ツ島奈良男(いつつじま ならお)です。
五ツ島は172センチ、112.5キロと体格に恵まれませんでしたが、常に受けて立つ堂々たる相撲振りでした。本場所ではなかなか力を発揮できず「稽古場大関」というありがたくない異名を持っていました。
しかし、双葉山を倒した15年の二場所は11勝4敗、13勝2敗と好成績を上げ、ついに16年1月大関に昇進しました。残念ながらけがのため、五ツ島の大関はわずか2場所限りでした。
しかし、五ツ島の名は双葉山時代を飾った名力士として、燦然と輝いています。