2012年2月15日水曜日

広島市援護課と業者との紛争(前編)

2012年の2月議会初日、私は議会で質問しました。

 報告第31号 専決処分の報告(委託契約を解除したにもかかわらず、支払済みの委託料を返還しない者に対する訴えの提起)についての質問です。
 これは、「被爆者健康手帳交付台帳等の電子化業務」を、広島市健康福祉局・原爆対策部援護課(以下援護課)が、業者との間で交わした契約についての事件です。

 期間は平成22年4月1日から1年間。設計金額1365万円に対し、委託契約金額は893万6550円でした。

 業務の内容は、マイクロフィルムに収められた被爆者健康手帳交付申請書と被災資料を、スキャナーで読み取って1コマずつパソコンに保存する作業です。もうひとつは紙の資料の被爆者健康手帳交付台帳を、同様に1枚ずつ保存する作業です。

 援護課の設計では、1コマを15秒で作業をこなしていって、期間内にようやく終了するというものでした。援護課がリースした2台のスキャナーと2台のパソコンとを使い、業者の職員2人で作業を開始しました。

 ところが、4月早々からスキャナーやパソコンの不調や停止、故障が頻発しました。マイクロフィルムのデータの大きさも不揃いでした。作業は大幅に遅延し、4月から7月までは1コマの処理に30秒前後かかっていました
 なんとかこれを8月から挽回して、1コマ14秒から17秒で消化していきました。

 私は、市の職員が23年の12月に同じ作業をするところを見学しました。てきぱきとこなしておられましたが、それでも1コマ32秒程度のスピードでした。
 業者のスピードは、この倍の速さで信じられないほどの高速だったのです。

 22年8月に、業者が「このままでは期間内に作業が完了しない」と訴え、2台のスキャナーとパソコンを3台に増設させてくれと提案しました。
 しかし、援護課の課長補佐Mはこれを拒絶しました。逆に「早朝や夜間、そして土曜も日曜も出てきて働きなさい。」と提案しました。
 市庁舎は、時間外にはエアコンが切れます。そのことも承知での提案でした。業者はやむを得ず、2名のままで作業を続けました。

(次回につづく)