2012年3月20日火曜日

ハンフリー・ボガード

NHKの衛星放送では、アカデミー賞の受賞作品を放映する番組があります。先日は、ハンフリー・ボガード主演の「黄金」でした。ジョン・ヒューストンがアカデミー監督賞を受賞しています。

 食いつめ者のボガードと友人が、山師の爺さんとメキシコの金山を採掘する話です。砂金を手に入れた三人のうち、ボガードは他の二人がそれぞれ砂金をひとり占めするのではと疑い、爺さんが原住民の子どもを治療しているすきに、友人を撃って砂金を自分のものにします。

 しかし、逃げる途中で山賊に襲われ、ボガードは死んでしまいます。山賊はボガードが袋に入れていた砂金の価値が分からず、殺害現場に捨ててしまいます。そしてボガードが連れていたロバを町に売りにいき、警察に逮捕されます。

 原住民の看病で回復したボガードの友人は、爺さんと砂金を探しに行きますが、その地方特有の砂嵐で砂金は飛び散ってしまいます。それを見ながら二人は大笑いをして、映画は終わります。

 仲間を疑い裏切ったボガードが殺害され。最後まで仲間を信頼していた友人と爺さんが生き残りました。ひとを信頼する美しさがテーマの映画だと思います。
 とにかくボガードの存在感は逸品でした。ボガード49歳の作品でした。

 1942年、イングリッド・バーグマンと共演した「カサブランカ」をはじめ、ローレン・バコールと共演した「三つ数えろ」、キャサリン・ヘップバーンと共演した「アフリカの女王」、オードリー・ヘップバーンと共演した「麗しのサブリナ」、エヴァ・ガードナーと共演の「裸足の伯爵夫人」。
 世界を代表する女優たちと、堂々渡り合いました。
 1999年に全米で実施した好きな男優の第一位は、ハンフリー・ボガードでした。クロコダイルと呼ばれるほど薄気味悪さを感じさせつつ、男の中の男を演じていました。

 ボガードは、残念ながら58歳で亡くなりました。
 今、彼ほど男を感じさせる男優は見当たりません。

 俳優も政治家も、存在感がそして華が無ければ、その仕事に就いた意味を持たないと思います。