前回のつづきです。
ザ・タイガースは、1968年に入っても「花の首飾り」「シーシーシー」と大ヒットを連発しました。しかし、音楽性を追求していたトッポが渡辺プロのアイドル路線に反発し、69年3月に脱退。ピーもトッポと同様に、事務所との対立を強めていきました。
このころからピーは髪を伸ばし、表情からは笑顔も消えていきました。
そしてついに71年1月24日、日本武道館のコンサートを最後にタイガースは解散しました。
この後、ピーはメンバーと一切の連絡を絶ちました。
うわさでは高校の教師となり、国語を教えていると聞きました。
ジュリーはソロ歌手として活躍。サリーは岸部一徳と改名し、俳優として活躍しています。タローは芸能プロダクションの社長。トッポは音楽活動をしているようです。タイガース再結成と称して、何度かコンサートが開かれましたが、ピーだけは参加しませんでした。
ことしの3月、ジュリーのコンサートに岸部、森本、そして瞳が参加するとテレビ欄にあったのを見て驚きました。
ピーが出るのかと。
60歳を超えたタイガースは、舞台でかってのように躍動してました。
ピーは昔のままの躍動的な演奏で、笑顔で私を楽しませてくれました。そしてソロで「ジャスティン」と言う曲を歌い、ステージ中央で健在振りを見せてくれました。タイガースは解散から40年ぶりに集まったのです。特に、ピーは40年間メンバーの誰とも会っていなかったそうです。
その後、ピーの自伝を読みました。幼い頃貧しかったピーは、山城高校定時制を中退してバンド活動に没頭しました。タイガース解散後、定時制高校に復学し、一年後に慶応義塾大学の文学部に入学。教員免許を取り、慶應高校で国語、漢文、現代中国語を教えていました。
彼は「自分はやりたいようにやって来た。」と語っています。ステージに立った彼は、いま本当に満足していることを、笑顔や身体いっぱいのプレイでそのことを表現していました。