「広島にサッカー専用スタジアムを」
という署名運動が始まって、二年が過ぎようとしています。
そんなファンの熱意をよそに、スタジアムの建設を話し合う委員会の議論は、遅々として進んでおりません。先日も建設候補地の絞り込みの作業に入ったのですが、結局一つもしぼれないまま5つの候補地はそのままになりました。
なぜ遅々として進まないのか。それは松井一實広島市長にサッカースタジアムを建てる気が無いか、あるいは建てる気がほぼ無いかのどちらかです。
昨年、最終節を残した時点で2位のサンフレッチェ広島。首位・横浜Fマリノスの結果によっては逆転優勝の可能性がありました。
試合の数日前に松井市長は、公式な席上でこう言ったと聞いています。
「サンフレッチェは2位でええ。優勝したらスタジアムの議論をしないといけないから」
サンフレッチェの選手、スタッフ、サポーターや多くの市民はこの発言に憤慨して奮起した結果、リーグ二連覇を達成しました。
松井市長のコメントが起爆剤になって良かったという人もいました。
その後、松井市長は祝勝会などに顔を出し祝辞をのべていますが、スタジアム建設を進めようという話はしていません。まことに残念です。
先日、コンパクトなスタジアムがさいたま市の大宮にあると聞き、出かけてまいりました。大宮アルデイージャのホームグラウンド、NACK5大宮スタジアムです。
スタジアムはJR大宮駅からほど近く、大宮公園の内部にあります。大宮公園は一の宮神社という大きな神社の敷地内にあり、野球場も併設されています。
定員18000人ほどで小ぶりなスタジアムでしたが、座席とフィールドとの距離が短いことに驚きました。
タッチラインと観客席との距離は5メートルほど。ボールが観客席に入るのはもちろんのこと、まるで競り合う守備と攻撃の選手も飛び込んでくるような迫力でした。
小ぶりのスタジアムで良いのなら、市民球場跡地や、基町の中央公園につくるのが最適であると感じました。それならば建設費も安く抑えられるはずです。
議論を長々と繰り返させて、時間が無くなったから何もつくらないことに決めるという愚挙は、市民全体を愚弄するものと言わざるをえません。