2010年4月27日火曜日

日韓併合百年

 1910年は日韓併合条約が締結された年で、今年で百年が経過します。
 独立国であった韓国はこの条約で主権を喪失し、実質上日本の植民地となりました。朝鮮総督府が韓国を統治することになり、総督に就任したのは陸軍大将寺内正毅でした。軍人と警察官による武断政治の始まりです。

 韓国で少年時代を過ごした日本人にまつわるエピソードがあります。
 市内電車の中でのこと、乗客である日本人は、韓国人の車掌に対し、電車賃を床に投げて支払い、車掌はそれを拾っていました。
 その日本人は、終戦後広島に帰りました。電車に乗って韓国でしたように電車賃を床に投げたら、日本人の車掌から頭を殴られたそうです。韓国人は蔑み、哀れみの対象で同じ人間とは思われていなかったことを物語っています。

 25年前、私の友人が銀行から大蔵省に出向した時、大蔵省の官僚がこう言ったそうです。
 
 「植民地時代、日本は韓国に巨額の資本投資をした。水道も道路も作った。それを置いて帰ったのだから感謝されて当然だ。」
 
 この資本投資は、統治する日本人のための、日本人による投資です。電車の車内で、電車賃を投げつけられていた韓国人が、何を好んで日本人に感謝するでしょうか。

 アジアの現代史をこぞって学ぶ韓国人。日本史は明治維新で終わり、現代史を知らない日本人。
 当然対話はかみ合いません。

 「韓国人は過去にとらわれすぎる。過去にとらわれず、未来志向で行こう。」 このように語る日本人がいます。
 未来志向はもちろん素晴らしいことです。しかし、過去を学んだ上での未来志向であってほしいと思います。