2011年9月25日日曜日

大相撲秋場所

大相撲秋場所は、9月25日に千秋楽を迎えました。
 14日目を終えて、横綱・白鵬と関脇・琴奨菊は12勝2敗で並んでいました。そして千秋楽、琴奨菊は大関・把瑠都に投げ飛ばされ黒星、白鵬は大関・日馬冨士を投げ転がし白星。白鵬が13勝2敗で20度目の優勝を飾りました。

 白鵬は先場所、8場所連続優勝を日馬冨士に阻まれ、やや調子を落としていました。
 今場所は右差し左上手を取っての速攻で勝ち星を重ねましたが、相撲に重量感を増した琴奨菊に寄り切られ、両手の腕力を増した稀勢の里の左手に突き倒されました。やや相撲に軽さを感じさせた白鵬でしたが、安定感は随一で結局優勝をさらっていきました。

 琴奨菊は来場所での大関昇進が確実で、エストニア出身の把瑠都、モンゴル出身の日馬冨士に割って入ることになります。
 ファンの期待が大きいのは当然なのですが、気になることがあります。マスコミが、「日本人大関は久方ぶりです。」「日本人に頑張ってほしい。」と、人種や国籍にこだわった報道をしていることです。

 たとえば、日本の選手がドイツで女子サッカー・ワールドカップを戦ったり、ロンドンでオリンピックを戦ったりするときは、私も素直に日本の選手を応援します。
 しかし、国内で戦っている大相撲では、国籍に関係なく応援します。 
 
 白鵬や把瑠都や日馬冨士。みんな少年の頃に来日して親方に弟子入りし、稽古を積んで強くなりました。古くからのしきたりに縛られた相撲界で、トップに立つまでの努力は並大抵ではありません。
 しかも、彼らがインタビューに答えるときの日本語の上手なこと。堂々と日本人と言ってよいでしょう。

 マスコミの「日本人は日本人力士が好きだ」と決め付けた報道こそ、片腹痛いと思います。

2011年9月18日日曜日

トルコ紀行

 ごぶさたしておりました。実はわたくし、トルコ共和国へ行ってまいりました。滞在は7日間、うち宿泊は5日間でした。10名参加のツアーで、日本人添乗員の朧谷(おぼろや)さん、そしてトルコ人ガイドのフラットさんの、一行12名の小グループでした。
 
 私にとってトルコは、初めて訪れるイスラムの国です。
 日本では近所にお寺がありましたし、通った中学と高校は、カソリックの一派であるイエズス会の経営する学校でした。しかし、三大宗教のひとつであるイスラム教は縁がありませんでした。

 一旦トルコに降り立つと、まさにイスラムの地です。
 イスタンブールのような大都会から小さな町にいたるまで、必ずモスクがありました。日本の小学校区くらいの範囲で、ひとつはあったように思います。
 礼拝をよびかける放送もあります。イスラム教は、一日五回の礼拝を決まった時間に行います。礼拝が済むと、たくさんの人々がモスクから吐き出されてきます。熱心な人たちです。
 ただし、モスクに行く義務はありません。礼拝は家の中でもかまわないのです。

 一方で、イスタンブールの橋の上にいた、何百人もいる釣り人は誰も礼拝していませんでした。
 これは、トルコ政府が政教分離を旨としており、世俗主義に立脚しているからです。ゆるやかなイスラムの世界です。しかし、イスラムはトルコ人の心の中にしっかり根付いています。

 フラットさんが教えてくれました。
「イスラムの教えとは、このようなものです。アッラー(神)は、私にもあなたにも動物にも植物にも宿っています。だから私はあなたに敬意を払い、愛情を持って接するのです。同じように動物を可愛がり、植物の世話をするのです。」

 何人かのトルコ人と接しましたが、彼らは陽気で明るくサービス精神旺盛でした。なんとなく暢気に暮らしているように見えました。
 せちがらい日本に比べて、トルコの暢気さが気に入った旅でもありました。