2011年8月20日土曜日

二葉あき子さん

歌謡界を代表する歌手の二葉あき子さんが、8月16日亡くなられました。96歳でした。

 広島市東区・二葉の里の出身で、安藝の国にちなんで付けた芸名が「二葉あき子」でした。 私の母の出身校・広島県立広島高等女学校(県女・現在の皆実高校)の先輩で、母は二葉さんのファンでした。二葉さんは東京音楽学校(現・東京芸術大学)に進み、一流の歌手としてレコードデビューしました。

 昭和48年。中学3年の私は、歌の下手なアイドル歌手と、むさ苦しいフォーク歌手が幅をきかせていた時流に反発しました。昭和30年代以前の流行歌をマスターすることとし、同志2名と「懐メロ三羽烏」を結成。毎日のように懐メロを学校で歌っていました。

 レパートリーを増やすのは、大変な苦労でした。レコードは無い、テレビにも懐メロ歌手はほとんど出ない。夏と正月にある懐メロ番組をラジカセで録音して、なんとか曲を覚えていきました。
 歌が好きな母や祖母に聞いても、歌詞やメロディーが微妙に違って苦労しました。

 その後、懐メロがブームとなり、多くの歌手がテレビでにぎやかに歌っていました。男性歌手は、トリが藤山一郎、その前が霧島昇と伊藤久男。女性歌手は、トリが淡谷のり子、その前が渡辺はま子と二葉さんでした。

 二葉さんは抜群の歌唱力を誇っていました。オリジナル原盤をCDで聴いても、伸びる高音、はずむリズム感、幅広い音域を感じました。さすがに音楽学校出身の歌手です。

 どの曲も素晴らしいですが、その中でも特に好きなのは「バラのルムバ」です。曲の途中で短調から長調に転調する部分の高音が、どこまでも伸びていくようで大好きです。
 もう1曲は「恋の曼珠沙華」です。歌ってみると大変難しい曲です。特に、終わりの部分で高音から低音にぐっと下がり、結びでまた高い音域に上って終わります。これを二葉さんはいとも簡単に、感情を込めて歌っています。

 二葉さんのヒット曲「水色のワルツ」「フランチェスカの鐘」「夜のプラットフォーム」など、現代の歌手がカバーしてよい大ヒット曲です。再ヒットを楽しみにしています。