2012年9月16日日曜日

平清盛

 大河ドラマ「平清盛」を、毎週欠かさず見ています。

 これが面白い。なぜかというと、このドラマが史実に極めて忠実に作られているからです。
 清盛(松山ケンイチ)は、白河法皇(伊東四朗)のご落胤と呼ばれていました。ドラマでは、このいきさつを忠実に再現しています。
 崇徳天皇(井浦新)も、白河法皇が可愛がっていた璋子(壇れい)に産ませた子どもといううわさが立っていました。白河法皇の孫になる鳥羽上皇(三上博史)は、このうわさにこころを狂わせました。なぜなら璋子は自分のお后だったからです。
 崇徳は、鳥羽にとっては叔父にあたります。自分の后の子とは言え、祖父の子供だからです。
 鳥羽は死ぬまで崇徳をおじご(叔父御)とよび、嫌っていました。しかし、崇徳は自分が鳥羽と璋子の子だと信じていました。

 鳥羽のこころは、璋子から得子(松雪泰子)へと移っていきます。ぽやーっとした璋子と、嫉妬の炎を燃やせる得子の恋のさや当てが、ドラマの前半の見どころでした。この鳥羽と崇徳の争いが、藤原氏、平氏、源氏を巻き込んだ保元の乱へ進んでいくのです。

 この史実に忠実なドラマを、現在の人気俳優たちがいかに演じるか。そこが醍醐味です。
 イメージそのままに演じたのが、平忠盛(中井貴一)、時子(深田恭子)、平重盛(窪田正孝)です。とくに、窪田の演じる重盛はなかなか良い。重盛の苦悩をよく表しています。

 一方、イメージとまったく異なるのは、後白河法皇(松田翔太)、藤原信西(阿部サダヲ)です。後白河のぷらぷら遊び呆けるさま、信西の元気の良さと明るさ、いずれも新しい人間像を演じています。
 また、白河、鳥羽、崇徳、後白河といった皇室は、すごく丁寧に人間臭く描かれています。これも面白い。

 女性がいきいきと描かれているのも、ドラマの魅力のひとつです。璋子と得子、後白河のお后となる滋子(成海璃子)、そして北条政子(杏)。成海も杏も、大胆な役柄が似合う女優さんだと思います。

 これだけ面白いドラマが、なぜ低視聴率なのでしょうか。
 恐らく、歴史ファンには受けるけれども、一家揃って見るには難しいストーリーなのでしょう。
 しかし、最後まで難しいストーリーで突っ走ってもらいたいものです。