2010年3月11日木曜日

土に埋まる

 3月10日は予算特別委員会が15時30分開会のため、午前中に市内視察に出かけました。
 段原東部の区画整理事業にともない、霞町の警察学校の南側にコミュニティ住宅を建設しました。1階に車いす利用者用の住宅が3室あり、その部屋の視察です。段原再開発部の二人の課長を含め四名が案内してくれました。
 
 以前、庚午にある市営住宅を視察しましたが、間取りはほぼ同一でした。居室が2室、広いダイニングキッチン、トイレも広くスペースをとってありました。
 
 最後に避難用の通路を点検しました。玄関の反対側にベランダがあり、ベランダからスロープで前の広場に降りていく設計です。車いすに乗ってスロープを降りていきますと突き当たりに花壇がありました。広場の真ん中に避難するには、花壇の手前を左に90度曲がらなければなりません。
 なぜ花壇があるのかとたずねますと、建物の上から物が落ちてくるときに人がいると危ないので、近くに寄らないように花壇を作ったという説明です。
 「避難するのに邪魔になるのでは」と意見したところ、誰も何も言いませんでした。普段ならともかく、避難する時にはゆっくりとする余裕はないはずです。
 タイヤから手を離し、スロープを下りて左に曲がって広場に出ようとしました。車いすはスピードを出しながら、まっすぐ花壇に向かって下っていきます。花壇に衝突する前に、縁のレンガに足をかけて停めようとしました。
 
 その時です。車いすは突然停止しました。スロープの下は土でしたが、雨が降っていたので、軟らかくなった土に車輪が埋まっていました。自力では脱出できず、火事が起こった時ならば、焼け崩れた瓦礫の下敷きになって命を落としていたことでしょう。 
 同行したスタッフが助けてくれましたが、課長は車いすが埋まるとは気づかなかったと言っていました。
 
 こんなことをする人間はあまりいないだろうと思いながらも、車いすで下ったことで問題点が見つかり、結果的には良かったと思いました。
 
 ちょっと怖かったです。