2010年3月15日月曜日

大銀杏

大銀杏と石段

 3月10日未明、鎌倉鶴岡八幡宮の大銀杏が、折からの突風で倒れてしまいました。「鉄道唱歌」では、
「八幡宮の石段に立てる一木の大鴨脚樹(いちょう)、別当公暁のかくれしと歴史にあるは此影よ」
また、「鎌倉」では、
「上るや石のきざはしの左に高き大銀杏、問わばや遠き世々の跡」
と歌われています。自慢の声をお聞かせできないのは残念です。

 私は、鎌倉が好きです。貴族支配を武家の世の中に変えた源頼朝が興した、鎌倉幕府の守護神が、この鶴岡八幡宮です。
 三代将軍実朝が、右大臣を拝命した雪の夜のこと。二代将軍頼家の息子である公暁が実朝を暗殺した時、この大銀杏の陰に隠れてやおら飛び出して斬りかかったと言われています。
 
 中学三年の夏、横浜に住む友人を訪ねたとき鎌倉に赴きました。そして、この石段で公暁と実朝になってちゃんばらをしたことを思い出します。

 大銀杏はこの宮のシンボルでした。倒れてしまった大銀杏ですが、専門家の手により再生が可能となりました。
 よみがえる日を楽しみに待ちたいと思います。