2011年6月6日月曜日

連続無失点記録

 広島カープが連続無得点記録を更新する一方で、日本ハム・ファイターズが52イニング連続無失点の日本タイ記録を樹立しました。こちらはカープと違い、立派な記録です。

 先発投手陣は、ダルビッシュ、ウルフ、ケッペル、吉川、そして特に武田勝が素晴らしい投球を披露しています。中継ぎ陣、抑えの武田久も、役割をしっかり果たしています。
 今までの記録は、1942年阪神タイガースがうち立てていました。この年の阪神の順位は、巨人、大洋についで8チーム中3位でした。

 この時代は太平洋戦争の最中で、どのチームも主力選手を兵役に取られていました。

 阪神の主力からは、巨人の沢村栄治と投げあった西村幸生投手。そして、漫画「あぶさん」のモデルとして有名な、景浦将投手兼内野手。いずれも1939年かぎりで、試合に出場することはありませんでした。
 ミスター・タイガースと言われた藤村富美男内野手も、この42年は兵役のため出場はありません。

 42年は、監督兼エースの若林忠志が26勝12敗、御園生(みそのお)崇男が13勝16敗、木下勇が7勝7敗。藤村富美男の弟、藤村隆男が3勝5敗と頑張り、チーム防御率は1.75でした。
 これだけの防御率でもリーグ4位。チーム打率は.204ですが、リーグ2位でした。
 戦争中の物資不足で、飛ばないボール、飛ばないバットの時代でした。

 沢村も西村も景浦も南方で戦死し、二度と野球をすることはありませんでした。他にも数多くのスター選手が、戦争で帰らぬ人となりました。
 明日をも知れぬ命の中、何を考えながらボールを投げ、打ち返し、グラウンドを駆け抜けたのでしょうか。全く想像がつきません。

 戦争のない平和な時代だからこそ、野球だけに集中した、ひたむきなプレーを期待したいものです。