2013年7月10日水曜日

なぜ部長は事実と異なる報告をしたのか

 5月17日に東観音交差点で起きた交通事故の際の救急隊の処置についての問題は、まだ続きます。

 18日、私は当日たまたま現場に居合わせた市民Bさんから証言を聞きました。そして、AさんとBさんが約20分間も車の行き交う道路上に立ち、受傷者と2名の救急隊員を守ったことを確認しました。

 20日、私は広島市消防局・尾形部長にその事実を話しました。
 救急隊の犯したミスについて認めたうえで謝罪し、再発防止に努めるとの一言がもらえれば、それで一件落着のはずでした。

 ところがこの一件は思わぬ方向に動き出しました。
 

 21日、部長は私へこの一件の報告に来て、
 
「救急車の停車位置は適切だった」
「受傷者は一番歩道寄りの車線上にいた」
「救急隊に落ち度はない。ただ、道路上の二名の市民に早く気付かなければいけなかった」
と、述べました。

 二名の市民の証言と報告の内容が違います。
 私が指摘すると、部長は再度聞き取りを行うと言いました。

 22日、部長は、当日勤務中であったE出張所救急隊の3名を中消防署の中田署長の部屋に呼び出しました。署長、田中副署長、栗栖警防司令官、松永救急係長、そして救急部長と課長補佐の6名が事情を聞き取ったということです。

 聞き取りのあった日の夕方、私は救急部長の部屋で説明を受けました。
 その内容は、前日のものとほとんど変わりの無い、矛盾に満ちたものでした。
 

 これを聞いた二名の市民は、消防局に対する怒りを露わにしました。
 

 
 自分たちのとった行動は無意味だったというのか
 自分たちの立っていた位置は、部長の報告とは違う

 もし部長の説明のとおり、救急車を受傷者に対面するように停止させていれば、二名の市民が20分間も自分の身体を危険にさらしてまで、受傷者や救急隊員2名を守る必要は無かったはずです。

 30日になって、その日救急車を運転していた隊員が、
・救急車の停車は、車線を気にせず傷病者の正面に部署すればよかった
・一般市民には、危険な交通整理をさせないよう配慮する必要があった 
 そうコメントしていた書面を、部長から渡されました。

 受傷者の正面でない場所停車したため、一般市民に迷惑をかけたというコメントでしょう。素直な反省だと思います。

 なぜ、この事実を正直に伝えなかったのか。尾形救急部長の真意が測りかねます。
 事実とは違った報告をして、誰が得をするのでしょうか。

 謎に満ちた話だと思います。