2013年9月8日日曜日

混戦のセリーグ

 今年のプロ野球、セ・リーグは読売ジャイアンツの独走でほぼ決まり。パ・リーグは首位に立った楽天イーグルスが千葉ロッテマリーンズに迫られましたが、田中将大投手の開幕20連勝の活躍によって2位を引き離し優勝を目前にしています。

 優勝の行方に興味が無くなったので、テレビ各社はプロ野球を報道せず、オリンピック東京開催のニュースばかりです。

 セ・リーグは首位巨人と2位阪神が、それぞれ10をはるかに超える貯金を強みに順位を決定づけています。
 3位以下はいずれも借金10を超えるチームばかりで、それぞれのファンはため息ばかりついてきました。

 しかし、仲良く負け続けた結果、ペナントレース終盤に思わぬ盛り上がりを見せ始めました。
 広島カープ、中日ドラゴンズ、横浜DeNAベイスターズがクライマックス・シリーズをかけて白熱の3位争いを演じているのです。

 9月8日の日曜日、中日はヤクルトの4番・バレンティンに一発を浴びて敗退。横浜は好調の打線が今夜も活発で、広島に大勝しました。
 その結果、3位の広島を2ゲーム差で中日と横浜が追うという展開になりました。

 名古屋の中日ファンにたずねると、いったいどうなってるんやと言っていました。11年連続のAクラスチームのプライドがずたずたにされたという感想でした。

 7年連続Bクラスで、しかもそのうちの6年は最下位の横浜はこの快進撃に盛り上がっています。横浜スタジアムでの土曜日の広島戦ですが、28920人が詰めかけてベイスターズに声援を送っています。
 
 借金14とさんざんですが、3番モーガン、4番ブランコの新戦力に、5番中村紀洋も好調。梶谷、荒波、石川といった俊足の選手たちも力を付けています。投手陣では、新人の三嶋が先発ローテーションの一角をしめ、移籍のソーサが抑え投手として活躍しています。

 横浜を50年以上応援しているファンに聞くと、先発ピッチャーが頼りない、広島の方がええと言っていました。

 借金10の広島カープは15年連続のBクラス。以前は負けると選手に罵声を浴びせていたファンもたいへんマナーが良くなりました。応援して楽しければ良いといった雰囲気です。何年も負け越しが続いているからでしょう。

 去年のカープは全日程終了時で借金10の4位でした。去年と同様の成績ですが、単独の3位です。前田健太、バリントン、大竹、野村の先発陣は安定し、中継ぎ陣も揃って、抑えのミコライオも役割を果たしています。ところが打線に波があり、活発に打つ日と無抵抗の日が極端です。野村監督苦心の打線の組み替えが、まったく機能していません。

 中日が勝ち抜けないため、広島と横浜は幸運なAクラス争いに加わっています。ファンとしても、この行方にしっかり声援を送りたいと思います。

 わたしの理想は、広島、中日、横浜の3チームが熾烈な首位争いをしてくれることですが、長いプロ野球の歴史の中で、そうなったことは無かったようです。
 1997年に1位ヤクルト、2位横浜、3位広島という最終順位だったことがありますが、調べてみるとヤクルトと横浜は11ゲーム差、横浜と広島は6ゲーム差と、争ったとは言えない結果でした。

 しかし、もしも弱小チームの首位争いとなれば、長年の弱小チームファンは東京五輪の百倍は熱狂するのではないでしょうか。