2013年3月31日日曜日

ある区役所での質問

「お住まいは、どちらですか。」

「A区のB町です。」

「前のご主人は。」

「A区のC町です。」

「すぐ近くですね。 頻繁に会っておられるんでしょ。」

「会っておりません」

「先日来られた男性とは、どういうご関係ですか。」

「ただの友人です。」

「肉体関係は、ございますか。」

「ありません」

 広島市某区役所での、区役所職員とある手当の申請に来た区民の方との会話です。質問しているのが、区の児童福祉担当の職員です。
 

 この手当は、本人の前年の所得額によっては支給されない場合があります。親戚や友人、知人から一定額以上の援助を受けている場合、支給されません。

 市の課長によると、そのことを隠して手当を申請する市民がいるそうで、そういった不正受給を防止するために、上のような質問を浴びせるのだそうです。広島市の全部の区で聞いていると課長は答えました。友人との肉体関係があることを、あっけらかんと話す市民もいるそうです。

 それにしても、肉体関係があるかまで質問するのかと驚きました。
 不正受給を防止したいのは分かりますが、肉体関係の質問が防止に有効かどうか、さっぱり分かりません。「援助してもらっているかどうか」と尋ねれば良いのではないでしょうか。

 それについて市の課長は
「肉体関係があると判れば、同居している、内縁関係にある、またいわゆる二号さんと旦那との関係であるということなどが判り、幾ばくかの金銭をもらっているいることが判ります。」
と言い、有効な質問なのだと言っていました。

 しかし、この区役所の職員が行った設問は、今の人権が尊重されている時代ではありえません。母子家庭の母親が、収入を得る一手段として、男性と肉体関係を持つことは当たり前という意識です。そのため手当の申請者に、尋ねているのです。

 市民の権利や男女共同参画といった意識の存在しなかった、江戸時代や明治時代を想定しているのでしょうか。
 レトロな広島市を売りにしているのかも知れません。

 その通りであれば恐ろしいことであり、情けないことです。